少額だし、海外の取引所だから分からないのでは。そう考えたくなる気持ちは分かります。
ただ、取引の記録は思っているより多くの場所に残っています。仕組みを知ったうえで、どうするのがよいかを確認しましょう。

結論:把握される前提で、申告するのが最も負担が小さい
国内の取引所には取引の記録が残り、海外の取引についても、国どうしで情報を交換する仕組みが始まっています。申告が必要な利益があるなら、期限内に申告するのが結果的に一番負担の小さい方法です。
過去の分を申告していなかった場合も、気づいた時点で申告することができます。
取引が把握される3つの経路
国内の取引所の記録
国内の暗号資産交換業者は、利用者ごとに年間取引報告書を作成しています。国税庁のFAQによると、報告書には1年間の購入・売却の数量と金額、口座への出し入れの数量などが記載されます。
国際的な情報交換
暗号資産の取引情報を各国の税務当局が交換する仕組みが、日本でも整備されました。税理士法人の解説によると、関連する法律は2026年1月に施行され、2026年分の取引情報が2027年4月末までに報告されます。初回の情報交換は2027年の予定です。
銀行口座の入出金
暗号資産を円に換えて出金すれば、銀行口座に記録が残ります。
出典・確認日
出典:国税庁:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ) 2-9、アタックス税理士法人:暗号資産取引の国際報告制度 確認日:2026-10-12
海外の取引所なら対象外、ではない
日本に住んでいる人は、海外の取引所での利益も申告の対象です。
上で触れた情報交換の仕組みでは、海外の事業者が把握した取引情報が、その国の税務当局を通じて日本の国税庁に提供されます。海外の取引所だから分からない、という前提は成り立たなくなっています。
申告が必要かどうかの目安
給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる人は、給与と退職金以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。
暗号資産の利益は、売ったときだけでなく、買い物に使ったときや、別の暗号資産に交換したときにも生じます。円に換えていないから利益はない、とは限りません。
計算の方法は、暗号資産を売った・使ったときの税金の計算で説明しています。
申告していなかった場合
申告が必要なのにしていなかった場合、本来の税額に加えて、加算税や延滞税がかかることがあります。
自分から申告した場合と、税務署の調査を受けてから申告した場合とでは、扱いが異なります。心当たりがあるなら、早めに税務署か税理士へ相談してください。
いまからできること
- 記録を集める 取引所の年間取引報告書と、ウォレットの取引履歴を集めます。
- 所得を計算する 国税庁の計算書などを使い、1年分の所得を計算します。
- 申告する 申告が必要な場合は期限内に行い、迷う点は税務署か税理士に確認します。
国税庁のサイトには、年間取引報告書の数字を入力して所得を計算できる計算書が用意されています。
合法的に負担を減らす方法は、仮想通貨の税金に抜け道はあるのかにまとめています。
申告したうえで、使い道を考える
申告を前提にすれば、暗号資産を売るのも使うのも、ルールの中で自由に選べます。記録さえ残しておけば、カードで日常の支払いに使うこともできます。
現金化の方法ごとの違いは、仮想通貨を現金化する方法の比較で整理しています。
記録を残して、正しく使う。
カードで支払いに使う場合の還元の条件、費用、申し込みの流れを確認できます。
よくある質問
利益が20万円以下なら、何もしなくてよいですか?
条件を満たす給与所得者は、所得税の確定申告が不要になる場合があります。ただし、医療費控除などで確定申告をするときは、20万円以下の所得も含めて申告します。住民税の申告が別に必要になる場合もあるため、自治体に確認してください。
円に換えていなければ申告は不要ですか?
別の暗号資産への交換や、買い物への使用でも所得が生じます。円に換えたかどうかは基準になりません。
参考資料
- 国税庁:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(確認日:2026-10-12)
- 国税庁:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(確認日:2026-10-12)
- アタックス税理士法人:暗号資産取引の国際報告制度が始まる(確認日:2026-10-12)
税金についての注意
暗号資産を売却したり決済に使ったりすると、利益が課税対象になる場合があります。この記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務判断を示すものではありません。申告の要否や計算方法は、国税庁の公表資料または税理士にご確認ください。
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